学生の皆さんへ（学長メッセージ）
2020.04.28
学生の皆さんへ
長崎外国語大学は、新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大している現状および政府、長崎県の方針に基づき、2020年度春学期の授業開始日を当初の4月22日から5月11日まで延期いたしました。これは、私たちの誰もが予測できなかった、また体験したことがない出来事であり、皆さんの健康と命を守るために感染リスクを回避し、拡大を防止する緊急措置となります。
このような困難な状況にあっても、しかし、大学は感染リスクを抑制し、安全な環境を整えながら、学生の学習機会を可能な限り確保し、質の高い教育を提供する義務があります。
この方針に基づき、5月11日から始まる2020年度春学期の授業は、原則としてオンラインで実施することを決定いたしました。5月7日、8日は、登校日とし、遠隔授業実施のためのガイダンスを実施します。また、間もなく連休が始まりますが、この授業開始までの期間は、オンライン授業のための最終的な準備期間とします。学生の皆さんは、別にお知らせする情報に従って準備を進め、教員アドバイザーや科目担当教員と連携しながら、不安なくスムーズに授業が展開できるようにご協力をお願いいたします。私たちが経験したことがない困難な状況のなかで、学生の皆さんと教職員が知恵を出し合い、質の高い学びの環境を創り出し、未来に開かれた新しい大学教育のかたちを展開したいと考えます。
さて、4月の新年度開始から、間もなく1か月になろうとしています。新学期のオリエンテーションだけでも実施できたことは幸いでした。新入生の皆さんにはクラスごとにお目にかかり、お祝いの言葉を直接お伝えでき、うれしく思いました。本来であればキャンパスで、世界各国の留学生も含めた学生、教職員との新しい出会いが生まれる時期です。しかし、現実は、新型コロナウイルス感染拡大のためキャンパスへの立ち入りが制限されており、学生のみなさんは不安で、辛い思いをされていることと思います。このような困難な時にあってこそ、Stay homeに協力しながら、事態をポジティブにとらえて、日ごろは時間がなくてあまりできないことに時間を使ってみてはいかがでしょうか。
例えば、読書の習慣を身につける良い機会です。新しく学び始める外国語の学習を早めに始めたり、大学のe-ラーニング?システムで英語力を向上させたりするのもよいでしょう。また、情報リテラシーを高めるチャンスです。今、テレビやネットを通して、コロナに関するニュースや情報が次々と私たちのところに飛び込んできます。時にはコロナ情報をシャットアウトし、気になる情報を疑い、詳しく調べて、その真偽を確かめる。そのうえで、自分に必要な情報や有益な情報を取捨選択する。このような行動に慣れ、フェイクニュースを見極める能力や、集めた情報をうまく活用していく術を身につけることは、大いに意味のあることでしょう。学生の皆さんには自分でこの貴重な時間を管理し、自立した行動をとることを期待したいと思います。
新入生の皆さんにはオリエンテーションでお話ししたことですが、現代はグローバル化や高度情報化が進み、何が起こるか分からない時代、予測不能の時代です。これからの社会を生きていくには、今回のような不測の事態に遭遇した時に、何をなすべきか、何ができるかを考え、具体的な行動を通していかに自分を成長させられるかが重要になります。
最後になりますが、鬱々とした気分は健康によくありません。ストレスやフラストレーションを解消するためにも、健康維持のためにも、時々は屋外に出て運動することも忘れないでください。
新型コロナウイルス感染症の終息を祈りつつ、皆さんの奮闘にエールを送ります。
2020年4月28日
長崎外国語大学
学長 石川 昭仁